かつて、こういう事がありました。
ある日、何気ない普通の、暇な平日の量販店。「今日は一日暇そうだなぁ」と気楽に考えていたところ、なんとなく見たことがあるようなお客様がご来店。同じく出勤していた後輩が、以前自分が契約を対応したお客様だと気付いて声をかけた。
僕はそのままその後輩に対応を任せていたが、遠くから見ていると、契約時の書類や、見積もりを書いた紙、そして最近届いたであろう請求書を見ながら、お客様も後輩も困った顔をしている。
それだけでもう嫌な予感。暇な平日が一転、これは厄介な対応がありそうだ、と思っていると……後輩がこちらに事態を説明に来た。予感は当たった。
『5ヶ月前にお客様の契約をした時、通話し放題のオプションを付け忘れたみたいなんです』
僕も書類を見せてもらったところ、確かに見積もりでは、後輩が書いたと思われる筆跡で「通話し放題オプション○○円」と書いていながら、登録後に出力されるお客様用のお控えを見るとオプションを付与した形跡がない。そのため、請求書を見ると、見積もりで出していた月額料金の3倍以上の金額が請求されていた。
怒り顔と困り顔を混ぜたような表情のお客様。後輩の当時の記憶もあり、後輩が登録時にオプションを付け忘れるミスをしたという事が濃厚である。
新規契約時や機種変更時など、契約をする際、スタッフはほとんどの場合、専用のパソコンやタブレットを使って登録作業を行なう。機種、料金プラン、オプション、本体代金の支払い方法、新規契約ならお名前ご住所や電話番号などお客様情報の入力も行なう。
コンピューターが導入されていない店舗や、格安キャリアでまだそのようなシステムが無い場合は、紙の申込書に記入して登録センターにFAXして登録、という流れになる。
お客様によく言われる……
『なんでこんなに時間かかるの?』
『早くしてよ』
『○時までには終わらせてよ』
しかし、決してその言葉に惑わされ、動揺してはいけない。
「どうしてもお時間かかっちゃうんですよ」
「○時間くらいお時間いただきます」
と丁寧に声掛けした上で、登録作業はあくまでも冷静に、慎重に行わなければいけない。
……でなければ、上記の例のようなトラブルが起きてしまうのだ。お客様に多大なご迷惑、お手数をおかけしてしまう。
さらに、このトラブル、対応が完結するまでに、2ヶ月以上かかった。当然お客様は、これまでに余分に支払っていた、負担しなくていいはずの通話料を、返してほしいと要求される。
この後の流れを説明すると…(あくまでもキャリアや店舗によって対応方法は変わるので、一例としてご覧ください。実際トラブルになった際の対処法は直属の上司にご確認を)
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