ガラケーって本当になくなるの?
お客様からのお声で、特にご高齢の方から、このような事をよく言われます。
「ガラケーってもうすぐなくなるんでしょ?もうスマホにしないといけないのよね」
それを言われるたびに、「また来たぁ」と思います。
そして、こう答えます。
★『ガラケーがなくなるんじゃなくて、3Gのサービスが終了するんです。スマホと同じ4Gの電波を使ったガラケーもありますし、そちらは終了せずにずっと使えますので、ガラケーがなくなるわけではないですよ』
するとお客様は「え?!そうなの?!」と驚きます。
『……(もうこのやりとり何百回目?!)』と内心思います。
そうです。先程の★の返答の通り、ガラケー自体は無くなりません。
では、何故このような勘違いが広がってしまっているのか。僕は3つの理由を考えます。
「ガラケーなくなる」という勘違いの原因
まず1つは、3Gの電波でのサービスが主流の頃、つまり4Gサービスが始まる前は、まだガラケーが主流でした。3Gのスマホもありましたが、まだまだ大半がガラケーだったため、「3Gが終わる=ガラケーが終わる」と勘違いしてしまっているのではないでしょうか。
2つめ。これは1つ目と繋がるところもありますが、3Gサービスの終了が各社からアナウンスされた頃、週刊誌やデジタル系の雑誌で、「ガラケーが終わる?!」という見出しを何度も見ました。「?!」が付いているので、中身を見ると「実際はそうじゃない」という内容なのかもしれませんが、見出しのインパクトで、それが印象に残っているのかもしれません。
さて3つ目。ここが問題なんですが……。お店で、お客様から「ガラケーなくなるんでしょ」の話をされると、こんな答えをする販売員がいます。
『そうなんですガラケー使えなくなっちゃうんです。だからスマホに機種変更して下さい』
……これは非常に悪質なパターンです。ここまで悪質じゃなくても、お客様からそう言われたら、「ガラケーなくならないですよ」の話をせずに、「スマホに機種変更ご希望ですね?こちらへどうぞ」と、自然とスマホに促すスタッフも、多いでしょう。
上記、★のような答えを、ちゃんとお客様に話さないスタッフが、中にはいるんです。それは何故か。理由はおそらく、
「スマホを売りたいから」
でしょう。しかし、だからといって、「ガラケー終わる」という嘘をついたり、「ガラケーはなくならない」という事実を伝えずに話を進めるというのは、僕は悪質だと考えます。
販売員がスマホを売りたい理由
では、何故販売員はガラケーよりもスマホを売りたいのか。僕が考える理由は2つ。
①会社自体がスマホを売りたがっているから
やはりスマホのほうが月額料金が高くなる事が多いです。「はじめの12ヶ月間はさらに○○円引きでガラケーより安いです!」と謳っていたとしても、結局割引が終わるとスマホのほうが高くなる事が多い。つまりは利益が上がるのです。で、会社がスマホを売りたいという事は、スマホを売る販売員のほうが、評価は上がるのです。褒められたい販売員は、必死でスマホを売るでしょう。中には、販売員がガラケーを売っていたら「なんでガラケーを売るんだ!」と怒る店長等もいるでしょう。
②スマホから派生して他に売りたいものがあるから
スマホは、ガラケーに比べるといろんな事が出来ます。つまり、いろんなサービスがあります。その中には、有料のサービスもあります。これまた、利益の話です。ショップや販売店によっては、そのような「コンテンツ」「副商材」なども、評価の対象になっていたりします。
また、ガラケーになくてスマホにはあるものとして、「固定回線とセットでの割引」があります。皆様も、携帯電話屋さんに行った時、「おウチの固定回線は何にしてますか?」「固定回線も我社のものに変えませんか?」「スマホがさらに安くなりますよ!」との案内を聞いた事がある方も多いと思います。各社、携帯電話会社が固定回線の契約も獲っていっています。これもまた、上からの評価は高いのです。ガラケーのほとんどの料金プランは、固定回線とのセットの割引はありません。つまり、「ガラケー買われちゃうと固定回線の案内がやりにくい」という事です…。
これらの理由により、なんとかスマホを売りたいという販売員によって、例えば「電話とメールが出来ればそれでいい」「スマホなんて難しそうだから、本当はガラケーがいい」という、特にご高齢のお客様が、結局スマホに促され、結果、「使い方がわからない」「いろんな事出来るんだろうけど結局電話とメールしかしてない」という方が増えます。
あ……あくまでも、ご高齢の方がスマホを持つ事を否定しているわけではありません。ご高齢の方でもスマホを持ちたい、スマホを使いこなせる、または電話とメールだけでもスマホを持ちたい、という方もいらっしゃいますし、歓迎いたします。
販売員の言葉に惑わされないで!
ただ、「本当はガラケーがいい」という方でも、スタッフの「俺の実績」のために、スマホを持たされている、という方も、実際に存在するし、それはあってはいけない事だと思っています。
長い記事をお読み頂いてありがとうございます。どうか、この記事を読んでいただいた方で、「ガラケーでいい」という方、またはご家族の方でそのような方がいらっしゃるという方は、「ガラケーはなくならない」という事実をお知り頂き、「俺の実績」欲しさにスマホを勧めてくる販売員には、胸を張って、「いらん!!!!!」と、突っぱねて頂きたいのです。