- 【携帯電話の審査とは?】
- 【審査①加入審査(新規契約時全員)】
- 【審査②分割審査(本体代金分割払いの場合)】
- 【審査③追加の分割審査(10万円以上の分割を組む場合)】
- 【審査については販売員ではどうにもならない】
- 【まとめ】
【携帯電話の審査とは?】
携帯電話の契約でショップや量販店に行かれた際、『審査がございます』という話を販売員から聞いた事がありませんか?
そうです。携帯電話の契約には、『審査』がつきものなのです。ただ、ご利用者様の中には、審査というのが、本体代金を「分割払い」で支払う場合のみ、だと思っていらっしゃるお客様も多いと思います。住宅ローンやカーローンを組むときに審査がある事はよく知られていますからね。
しかし、携帯電話の契約の時の「審査」というのは、分割を組む時だけではないのです。本体代金一括払いの場合でも、審査に落ちて携帯電話の契約が出来ない、という事も、可能性としてはあります。
また、本体代金の分割を組む場合の審査でも、購入される機種(その金額)によって、またさらに違う審査が行われる場合があります。普段普通に分割が組める方でも、この『さらなる審査』で、分割が組めない、思うように契約が進められない、という事が、多くあります。
今回は、携帯電話の契約の中に存在する『審査』の種類を、3つに分けてご紹介します。
※各キャリアに寄って違いがあります。あらかじめご了承ください。
【審査①加入審査(新規契約時全員)】
これが、上記にあった『分割払いじゃなくても行われる審査』です。
他社から電話番号そのままで乗り換える、いわゆる『MNP(番号ポータビリティ)』の場合や、新しい電話番号で新たに回線を契約する『新規』(これを業界では『純新規』とも言います)の場合、どなたでも必ず行われる審査です。
住宅賃貸の際の「入居審査」に近いのかもしれませんが、携帯電話の『加入審査』は、決して何も人間性や態度などを見られるものではありません。
この加入審査で『ひっかかる』お客様は、『過去に携帯電話料金の過度の未払いがあった』『現在自社、あるいは他社で未払いのものがある』『過去に携帯電話の不正な利用、不正な契約があった』など、いわゆる『過去の利用実績』によるものです。
これらの、よくない利用実績がある場合、店頭で契約が出来なくなります。
前もってお話いたしますが、上記の『過去に未払いがあった』に関しては、例えば1度や2度、料金の引き落とし口座にお金を入れ忘れて引き落としが出来ず、いわゆる「滞納」の状態になった、という程度の事では審査で落ちる事はありません。まれにお客様で「以前1回だけ滞納しちゃったんですけど、審査難しいですかね?」とご不安を吐露されるお客様がいらっしゃいますが、そんなちょっとしたヒューマンエラーでは審査は落ちません。
ここでいう『過度の未払い』というのは、『長期に渡って未払いのまま放置した』という事を言います。
ちなみに、どうして店頭での受付で「過去の未払いや不正利用」などがわかるかというと、新規契約の際に入力する「名前」「生年月日」「住所」などの「個人情報」を元に、審査センターのほうで判断されています。
【審査①−2 加入審査の流れ】
ここで、あまりお話しない『販売員側からの契約(審査)時の流れ』をご紹介すると、通常、この加入審査で問題のないお客様の場合は、特に問題なく、登録のためのコンピューターで登録を進める事が出来ますが、これに『ひっかかる』お客様の場合は、登録の画面上に何かしらのメッセージが表れます。
正直販売員側からすれば、『あ……』と思うのです。
ここから、販売員側で、通常とは違う『対応』が必要になります。これは各キャリア(利用している登録システム)によって違います。文章でいろいろと入力する方法のキャリアもあれば、登録センターから電話がかかってきて口頭で対応するキャリアもあります。
ここで、「契約に至った経緯」や「何かお客様に怪しいところはないか」等を聞かれるので、我々販売員は素直に答えます。
その内容も踏まえて審査センターにてさらなる審査が行われ、「契約を続けても(完了しても)いい」か「手続きを止めて契約をお断りする」かが、販売員側に伝えられます。
あとは我々販売員は、お客様にその内容を伝えます。「契約を続けてもいい」という結果であれば、特に何も触れずに『さらっと』手続きを進める場合もあります。
【審査①−3 審査に落ちたらお客様はどうすればいいか】
もし『現在未納となっている料金がある』という理由で審査落ちとなった場合は、その料金を支払えば、再度手続きが行える場合があります。その場合は、ショップなどで『未納となっている金額』を確認して頂き、支払いを完了して、この支払いの際の「領収書」を持って、再度店頭で手続きを行ってください。
ただし、それで『審査が必ず通る』とは言い切れません。その未納が『長期に渡る過度の未納』に当たる場合などは、例え料金を支払ったとしても審査が通らない、という場合もあります。
また、ここでいう『未納』というのは、『他社での未納』も含まれます。横の繋がりがありますから、他社で未納がある場合でも審査に影響が出る場合があります。『どこのキャリアで未納があるのか』は、販売員からお伝えできる場合と出来ない場合があります。我々は審査センターからの返答をそのままお伝えするしか出来ないですから、場合によっては『それはお客様でご確認ください』となる場合もあります。
もし『過去に過度の未払いがあった』や『過去に不正と思われる契約や利用があった』という場合、我々販売員には、審査センターは詳細を教えてくれる事はありません(重要な個人情報なので)。販売員が見ている画面には「総合的な判断により、ご契約をお断りします」という程度の文章しか出てこない場合があります。その場合はそれ以上、我々からお伝えすることが出来ません。
なので、その内容に関してご納得されないお客様は、直接お客様センターなどにお問い合わせ頂くしかありません(そこでも詳細がわからない場合もあります)。
【審査②分割審査(本体代金分割払いの場合)】
最近はスマホの本体代金もどんどん高くなり、一括払いで買うには高すぎる、という機種もありますので、本体代金の分割払いは、至極当たり前の事となっています。
本体代金分割払いの場合は、電化製品や車などのローンと同じで、審査があります。
お客様が分割払いをご選択された場合、『審査にご同意頂く』という旨のサインを頂き、審査が行われます。
この審査に関しても、特に問題がなければ1分前後で完了します。販売員的にも他の項目を入力している間に、知らないうちに終わっている、という程度です。
この分割審査は、もちろん、新規契約ではない、いわゆる「機種変更(キャリアはそのままで機種だけ変える)」の場合でも行われます。
携帯電話の契約に限らず、過去に支払が出来なかった事があったり、任意整理や自己破産など、いわゆる「ブラックリスト」に該当するなどの場合は、分割の審査が通らず、本体代金を一括払いでご購入頂くしかない、という事もあります。
【審査③追加の分割審査(10万円以上の分割を組む場合)】
さて、ここまで非常に長々とご説明してきましたが、実はこの項目が、近年、一番「厄介なもの」です。「ブラックリストにも載っていない」「過去も今も支払いをちゃんとしている」というお客様の場合も、ここで、『この機種は分割払いNG』となってしまい、当日の受付が出来ない事があります。
最近は本体代金もどんどん高騰し、金額が10万円を超えるのも、高スペックの機種なら当たり前になってきました。
実はここ数年前から、本体代金が10万円以上になる機種で分割を組む場合、通常の分割審査以外で、さらに高度な審査が必要になりました。通常の分割審査は「サインを書いて頂くだけ」でしたが、ここでの高度な審査は、ご記入(ご入力)頂く事がたくさんあります。
あるキャリアを例にすると、『ご本人様の年収』『借金の有無と金額』『住宅ローンの有無』『ご家庭での主たる生計維持者は誰か』などです。
つまり、『このお客様が10万円以上の分割金を支払う金銭的能力があるかどうか』を『丁寧に』審査されるのです。
※キャリアによっては追加の審査が行われないところもあります。
これも、多くのお客様が、そのままご記入、ご入力頂ければ問題なく審査は通ります。何も、収入が何千万以上じゃないと審査が通らない、というわけではありません。
この審査で、過去に私が対応したお客様で、10万円以上の機種で分割が組めなかったお客様の例が、『実家暮らしの学生さん』や『年金生活をされている方』です。
特に学生の方。「実家暮らしで、生計維持者は父だけど、携帯電話の料金は自分のバイト代で払っている」という方。
『ご本人の年収』の欄には、アルバイトでの収入(契約から1年後までに見込まれる金額)をご入力頂くのですが、その金額によっては、それだけでは審査が通らない場合があります。
その際は、『生計維持者』の方の年収も合算して、審査を行う事が出来ます。この例で言えばお父様です。これを合算すれば大体は審査は通るのですが、問題は、『審査の際に収入を合算する事に対する、お父様のご同意』が必要なのです。
※この部分はお手続きのキャリアや状況によって違う場合があります。詳細はその都度お手続きの店舗にてご確認ください。
お父様も一緒にご来店頂いている場合は、お父様のサインを頂ければ解決です。しかし、お父様のご来店がない場合は、サインを頂く事が出来ません。お父様にお電話で確認させて頂ければお手続き可能な場合もありますが、キャリアや状況や、店舗によってはそれも不可の場合があります。
この例は実家暮らしという事ですが、もし学生の方が1人暮らしで実家が遠方の場合は、一緒のご来店が難しい場合もありますよね。
結局、その日は審査を通過できず、お手続きが出来ない、という場合があるのです。
ちなみに、ご契約が『専業主婦』の方の場合は、ご本人様の年収は0円になりますが、生計維持者が配偶者の方の場合は、生計維持者の同意を直接得られなくてもお手続きが進められる場合もあります。
【審査については販売員ではどうにもならない】
審査の結果に関して、「どうしてダメなんだ!」「理由をはっきりしろ!」「私は何も覚えがないわよ!」と、販売員に言いたくなるお気持ちもわかりますが、我々販売員は、審査センターの結果をそのままお客様にお伝えする事しか出来ず、それ以上の事は、知る事も出来ません。
また、過去の例としては、ご家族の方による不正や未払いが影響して、全く問題のないご家族の方まで審査が通らなくなった、という事もありました。どうしてもご本人様に「覚えがない」という場合は、聞きにくいことではあると思いますが、ご家族の方にご相談してみてください。
以上、携帯電話の契約に関わる、いろいろな『審査』に関してご紹介いたしました。携帯電話の契約は、あくまでも『契約ごと』ですので、審査に関してお時間やお手数をおかけする事に関しては、どうかご了承下さい。
【まとめ】
また、キャリアによっては、説明も契約も、サインも全部終わったあとに、『審査の結果、契約が出来ませんでした』となる事もあります。これは、各社が使っているシステムの違いの問題です。上記の審査も手順も、キャリア(システム)によって違います。それによって『入力している間に審査が行われている』場合と『すべての入力が完了してから審査が行われる』場合があるなど、違いがあります。「こんなに時間かけた挙げ句に出来ませんでしたとはどういう事だ!」と思われるかもしれませんが、こちらもご理解いただければと思います。