ジャッカルって死語ですか?
- 「イベント」は得だとしても「イベントスタッフ」には気をつけろ!
- 『イベントスタッフ』と『常勤スタッフ』の違いとは
- 『イベントスタッフ』の性分と使命
- 真面目で一生懸命なイベントスタッフもいるけれど…
- 常勤スタッフにとって一番怖い、イベントスタッフの『逃げ』
- イベントスタッフの中に潜む『ジャッカル』とは?
- 暗黙の了解も無視する、『実績重視』のジャッカル
- ジャッカルに騙されないための、ご利用者様へのお願い
「イベント」は得だとしても「イベントスタッフ」には気をつけろ!
さて、特に土日、家電量販店に行くと、ある携帯電話会社のユニフォームを来た人が固まっていっぱいいる、いわゆる「イベント会場」というものを見た事がある人も、多いかもしれません。
週末や連休時期など、多くのお店で、どこか1つの携帯電話会社や固定回線会社が多くのスタッフを入店させ、一気に多くの契約を獲得するため「イベント」というものを開催します。
普通に家電を買いにいったり、ちょっと見に行くだけで寄っただけなのに、イベントスタッフに呼び止められ、アンケートと称して尋問のように携帯電話や固定回線の利用状況を聞かれたり、「携帯電話を当社に乗り換えしませんか?」的な話を、さほど興味もないのに半ば無理矢理聞かされた、という方もいらっしゃると思います。
まず気を付けて頂きたいのは、この「イベントスタッフ」の存在。
特に、一番気を付けて頂きたいのは、
『絶対、今日ご契約頂ければお得になります!』
『明日以降だと、損してしまいますよ!』
と、とにかく『今日』契約をさせようとするイベントスタッフです。
『イベントスタッフ』と『常勤スタッフ』の違いとは
まず、ここで『イベントスタッフ』と『常勤スタッフ』の違いに関してご説明します。
量販店には、多くの店舗に、キャリアごとに『常勤スタッフ』という、平日も土日も、週5日勤務しているスタッフがいます。契約の説明や、登録手続き、アフターフォローとして使い方の説明などをするスタッフです。
対して『イベントスタッフ』というのは、月に数回、イベントが行われる土日のみ(またはその前後の金曜日や月曜日)に入店し、イベントブースにてお客様を勧誘、ご案内します。
『イベント』というものは、開催されるにはやはりお金がかかります。増員されるイベントスタッフ分の人件費や、お客様にお配りする販促品など。当然、その分、多くの件数の契約を獲得しないと、元が取れません。イベントが実施される時は、いわゆる『目標数値』も、いつもの2倍〜3倍以上の数字を付けられます。
つまりイベントスタッフは、『絶対に売らないといけない時』に投入される。なので、やはり入店するイベントスタッフにとっては、『絶対に売らないといけない』というプレッシャーが満タンで、売り場に立っているのです。
『イベントスタッフ』の性分と使命
だから、イベントスタッフにとっては、
『今日売れないと意味がない』
『今日買ってくれないと意味がない』
のです。イベントスタッフにとって、平日に売れる件数などは、ほとんど評価対象になりません。日曜日に案内して、お客様から「家族と相談して、明日買いに来ます」「今日は時間ないので明日来ます」と言われても、イベントスタッフからしたら、「じゃあ意味ないねん!」という事なのです。
これが危険な発想なのです。はっきり言って、そんなイベントスタッフの『勝手』に、お客様が振り回される必要はありません。
イベントスタッフは、『なんとしてでも今日契約してもらおう』と、あらゆる手段で、お客様を説得するでしょう。
「時間がないから今日は無理です」
→→→『どれくらいならお時間ありますか?契約はすぐに出来ますよ!』
「まだちょっとわからないので考えてまた来ます」
→→→『どのようなところがお悩みですか?すぐにご説明させて頂きます!』
「家族と相談しないと、僕一人では勝手に決められないので」
→→→『今からお電話でご相談下さい!お客様の分だけでも、今日契約してしまいましょう!』
もちろん、『この土日だけ適用できる割引』などがある場合もあるので、『今日すぐ契約』したほうがお得な場合もあります。しかし、イベントスタッフが『今日』とこだわる理由は、ほとんどは、
『今日買ってくれないと僕の実績にならないんだよ!』
という事です。
真面目で一生懸命なイベントスタッフもいるけれど…
もちろん、真面目に、真摯に取り組んでいるスタッフも多くいます。また、そもそも販売員ですから、1台でも多く販売しないといけない、と思うのは当然であり、それが任務です。
しかし、そこで「お客様の気持ち」「お客様の都合」が無視され、軽く扱われる事があっては、絶対にいけないと思うのです。しかし、残念ながら、そのような、「お客様の都合よりも我々の実績を優先する」というスタッフも、残念ながら多くいるのです。
悪質なイベントスタッフになると、次の日以降も継続してやっている割引ですら、『今日で終わりなんですよ!』とホラを吹くヤツもいます。
「携帯電話を買い替える」「携帯会社を乗り換える」というのは、そんな簡単な事ではありません。始めから買い替えるつもりで量販店に行って、案内されて…だったら良いですが、「元々携帯電話買い替えるなんて考えてもなかった」という段階から、イベントスタッフに掴まって案内されたというだけでその場で即日買い替えなんて、何かしらのリスクが生じる可能性だって大いにあります。
『俺の実績』のために、お客様が突然の苦労を強いられる必要はありません。
常勤スタッフにとって一番怖い、イベントスタッフの『逃げ』
何が怖いって……『もしトラブルになって、お客さんが後日お店にクレームに来たところで、僕はその場にいないから、いいんだよ。とにかくなんでもいいから今日買ってもらって、クレームあったら僕が居ない日に常勤スタッフに言ってくれたら』っていう考え方のイベントスタッフが、少なからずいるんです。我々常勤スタッフにとってはイイ迷惑なんです。
そんな自分勝手なイベントスタッフに振り回されず、あくまでも、イベントスタッフに『今日』『今日』と言われても、ご利用者様には冷静になって、不安があったり疑問点が解消されないなら、はっきりと「当日」は断って、じっくり考えて頂きたいのです。
その場でじっくり考えた上で、納得し、「今日」契約しよう、と思って頂けたのなら、その場でご契約頂ければ嬉しく思います。
イベントスタッフの中に潜む『ジャッカル』とは?
そして、もう1つ、ご注意頂きたい存在が、冒頭でもお伝えした『ジャッカル』の存在です。
『ジャッカル』といえば、ラグビー人気から有名になった、相手チームのボールを奪い取る、というプレーですが、僕がここでいう『ジャッカル』とは、『他キャリアのお客様を奪い取る』悪質なスタッフの事です(※僕が勝手に命名してます…正式な用語ではありません)
例えば………
ある週末、あるお客様が量販店に入ると、携帯電話会社、A社がイベントを実施していた。しかし、お客様は現在B社をご利用で、そのままB社で機種変更をするつもりなので、B社のスタッフを探していた。その時、スーツ姿の男性に突然声をかけられた。名札もつけていないので、どこの誰なのか不審に思ったが…。
スーツ『何かお探しですか?』
お客様「あ、B社で機種変更を考えてるんですが」
スーツ『そうですか!私、B社のご案内が出来る者なので、ご案内致します。こちらにおかけ下さい』
テーブル席で利用状況を細かくヒアリングされ、B社の料金をそのスーツの男性から聞く。そこで、スーツの男性はこう語った。
スーツ『実は私、ほぼ全部のキャリアの案内が出来るものなんですが、客観的に見させて頂いた結果、結論から言いまして、お客様、A社にお乗り換えして頂いたほうが、絶対お得になりますよ!』
お客様「え……そうなんですか?」
スーツ『はい!理由をご説明しますと〜』
そのままそのスーツの男性に、A社の利点に関して案内をされ、
スーツ『しかも!ちょうど、本日A社がイベントをしておりまして、本日ならさらにお得になります!もしよろしければ、A社のスタッフに引き継ぎ致しましょうか?』
お客様「はい、じゃあ、お願いします…」
そして、A社のイベントスタッフが来て、さらに案内を受け………お客様は結局、急遽、B社からA社に『MNP(電話番号そのままで他社にお乗り換え)』する事になった…。
ここまで見て頂き、「何か問題あるの?」と思われる方もいらっしゃれば、「そういう事か…」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
このスーツの男性は、『A社のイベントスタッフ』です。
「え?!B社の案内出来るって言ったじゃない?!」と思われるかもしれませんが、スーツの男は、『B社の案内が出来る』と言っただけで、『B社の人間だ』とは言っていないのです。ただ『A社の人間だけど、B社の料金プランも勉強してるから案内できる』というだけなのです。
確かに、『嘘はついていない』。しかし、流れ的にお客様が「あ、この人B社の人なんだ」と勘違いしてもおかしくない。いや、間違いなくその「勘違い」を誘導していると言える。
そして、『ほぼ全部のキャリアの案内が出来る』という事で『あくまで中立な立場である』というフリをしつつ、あたかも平等に料金診断したように見せかけながら、『A社が絶対お得です!』と、A社に誘導しているのです。
暗黙の了解も無視する、『実績重視』のジャッカル
そして、ここも強調したいところなのですが、通常、いろんな会社のスタッフが在籍する家電量販店では、お客様に声掛けをした際、お客様が違う会社の名前を出した場合は、まずその会社のスタッフにお客様を誘導する、というのが、『暗黙のマナー』なんです。
つまり、A社スタッフがお客様に声掛けし、お客様から冒頭で「B社で機種変更を〜」と聞いた時点で、すぐにB社のスタッフを呼ばないといけない、それがマナーなのです。
そのマナーを無視し、さらにはお客様を欺くように自分の会社に乗り換えして貰えるように誘導し、獲得に繋げる。そういうスタッフに限って、『他の会社のいいところ』は上手い事誤魔化してしっかりと案内しない。これでは「各社の内容を平等に照合して乗り換える会社を決めた」とは、到底言えない。
ジャッカルに騙されないための、ご利用者様へのお願い
ここで、ご利用者様にお願い。量販店で、目当ての携帯電話会社の話を聞きたい時は、必ず、その会社のユニフォームを着ている、またはその会社の名札を付けているスタッフに案内を聞いて頂きたいのです。そして、複数の会社を比べたい場合は、遠慮なく、その都度別の会社のユニフォームを着たスタッフを呼んで、説明を受けてください。別に『このお客さん何人も何人もスタッフ呼んだりして…』なんて誰も思いません。
どうしてもスーツ姿や名札を付けていないスタッフと話す場合は、「あなたはどこの会社の方ですか?」と、はっきり確認して頂きたいのです。
※補足ですが、まれに、携帯電話会社のスタッフではなく、量販店会社の社員さん(携帯電話コーナー担当の量販店社員さん)が、各社の案内を出来るように勉強していて、平等に案内してくれる場合があります。その場合は、上記の限りではありません。
長くなりましたが、「いつ買うのか」「どこの会社で買うのか」は、あくまでもご利用者様が決めなければなりません。強引なイベントスタッフや『ジャッカル』に惑わされる事なく、各社で内容をご確認頂き、じっくりとお考え頂いて、納得の行くご契約をして頂ければと思います。