回避する方法!
1番目の例で言うと、
お客様「機種変更したいんですけど」
スタッフ『ありがとうございます。今、A社でご利用頂いていて、機種だけご変更という事ですね』
お客様「……いえ、今B社を使っています」
これだけで、その後の余分なやり取りは、全て回避できます。
2番目の例で言えば、
お客様「すみません。C社のAndroidのスマホに乗り換えようと思うんですけど」
C社のスタッフ『お乗り換えですね。今、どちらの会社でご利用ですか?』
お客様「今iPhoneです」
C社『携帯電話会社は、どちらをご利用ですか?』
お客様「あ……今C社です」
これでいいんです。まずは、言い方悪いですが、感覚でいえば『お客様のおっしゃる事を、全て鵜呑みにしない事』です。我々の言葉とお客様の言葉を統一させるために、マメな確認が必要です。そして、大事な事は早めに確認するに越した事はありません。とはいえ、もちろんお客様を疑うような言い方をしてはいけません。『本当に機種変更ですか?』なんて聞き方をしちゃうと、お客様は当然不快に感じてしまいます。そこは、自然な流れでお伺いできるように、やっていくうちに慣れていくと思いますよ。
『我々の常識が、必ずしもお客様の常識というわけではない』という点では、こういう例も挙げておきましょう。
客「今度機種変更をしようと思って、今日は機種だけ見に来ました。この機種にしようかしら」
ス『ありがとうございます。近々ご来店でしたら、機種のお取り置きをさせて頂きます。ご契約のご名義は、お客様ご本人様ですか?』
客「はい、そうです」ス『ではお客様のご来店でご本人様確認書類をお持ち頂ければお手続き可能です』
ここでお客様が帰られました。しかし、この時点で、『やっておいたほうがいい事をやっていない』のです。皆さんはわかりますか?
後日、お客様がご来店されました。機種変更のためにお客様情報をお伺いし、顧客情報を開こうとしますが、出てきません。
ス『お客様、ご契約情報が出て来ないのですが、ご名義はお客様ご本人様で間違いありませんか?』
客「はい、私の口座から毎月の料金が引き落とされているので、私で間違いありません」
さらに確認すると、引き落としの口座はこの方のものでしたが、ご契約の名義自体は、旦那様である事がわかりました。
結局このお客様は、ご名義ご本人様のご来店が無い上、委任状なども無いため、この日の機種変更は出来ず、3回目のご来店を余儀なくされてしまいました。
我々販売員からすれば、『ご契約名義と請求先口座の名義が必ずしも一致するとは限らない』という事は常識です。しかし、お客様からすれば違います。前回の契約から数年経っているのです。家族みんなで契約に来店して、「誰の名義で契約したのか忘れちゃった」または「勘違いしている」という事は、よくある事です。
一度目のご来店の際に、時間に余裕があるのなら、そこで顧客情報の確認をしておいたほうが良かったでしょう。そうすれば、その段階で名義が違う事に気付き、『では次回のご来店の際はご名義ご本人様と一緒にご来店下さい』というご案内が出来たはずです。
『念には念を』という言葉がありますが、まさにその通りです。我々は『契約事』を取り扱っているので、一つの確認漏れで、誤案内に繋がったり、お客様にさらなるご面倒をお掛けする事があります。スムーズに、かつ、お客様に気持ちよく『ご成約』まで辿り着いて頂くために、丁寧で的確な確認を、怠らないようにしましょう。