研修参加をオススメする理由
携帯電話の販売の仕事をしていると、まれに「研修」というものがある。それは、携帯電話会社が行なうものもあれば、委託されていて派遣会社や量販店の本部が主催する事もある。
そして大抵は、いつも働いている店舗ではなく、主催する携帯電話会社や派遣会社のオフィスがあるビル、またはその近くにある会議場などを使って行われる。
たまには店舗ではない別の場所にいくのも、気晴らしにいいものである。
僕は研修が大好きだ。他の販売員さんにも、機会があれば参加する事を強くオススメする。理由は大きく2つ。真面目な理由と真面目じゃない理由だ。
【真面目な理由】
研修に行くと、普段店舗では聞けない話、出来ない話が出来る事が多い。郊外などの少人数の店舗ならなおさらだ。また、交友関係を広めたい人であれば、同じ立場で店舗勤務している人が集まるんだから、貴重な機会だ。
【真面目じゃない理由】
だって、ただ同じ店舗に通うだけの毎日ってダルくない?とはいえ別の店舗でヘルプで働くんは気ぃ遣うからイヤやし。おまけに、朝から店舗で途中から研修に行く場合、基本的には移動時間も時給が発生する。普段店舗で立ってたり、声張り上げて契約の説明とかしてるのに比べたら、電車で座ってるだけで給料出るんやからこんな楽な事はないでマジで。…あかん、真面目じゃない理由のほうが長くなってしもた。
研修の内容にも良し悪しあり
……とはいえ、「偉い人とか他の店舗の人に会うのは面倒でイヤ」「移動が面倒くさくてイヤ」という人も多い。でも、せっかくの機会だし、上記の理由から、研修の機会がある場合は、参加を強くオススメします。
……しかし、この記事のタイトルのように、やっぱり、「こんな研修来なきゃよかった」と思う事もある。もちろん「これはスキルアップのために来てよかった」と思えるものも多いが、中には…。
『こんな話聞いて店舗で何の役に立つの?』
『これ完全に(研修開いてる人も)上の人間にヤレ!って言われて無理矢理やってるやろ』
『全然知りたかった事と内容が違う』
というような、残念な研修もある。
衝撃的な「成績優秀店舗」のプレゼン
かつて、こんな事がありました。
あるキャリアで働いていた時。年度の区切り、という事もあり、大きな研修会があるという事で、「多くの店舗のスタッフが来る。ウチの派遣会社から不参加があったら何を言われるかわからないから、絶対参加するように」と言われ、一人店舗なのに店舗を不在にして参加した。行ってみると実際、7都道府県以上から200人以上の参加者が集まる、大型のものだった。
内容は主に、『前年度成績優秀店舗(販売台数トップ店舗)への表彰と、その店舗の取り組み報告』。
まず表彰される店舗が、そのエリアで一番大きい店舗で、しかも一番大きな街の駅前にある店舗だったので、「一番売れて当たり前やん」と思いつつ…まあでも何か参考になるものもあるかも、と思って、その店舗の女性スタッフによる「取り組み報告」を聞いていた。
そしたらその取り組み内容も、初心者でも何度も聞いた事があるんじゃないかというような、『ありきたり』なものばかり。
『什器を見られているお客様にはマメに声掛けを』
『1台契約されるお客様にはご家族の方のぶんのご提案も』
『お客様のご利用状況をよくヒアリングして』
などなど…これは大して参考にはならなさそうだなぁ…と落胆しているところで、なんとそこに、その落胆の気持ちに拍車をかける、衝撃的なプレゼンが、その女性スタッフより聞かされたのだ。
『それから、男性のお客様には、我々女性スタッフはなるべく、お客様に身体を近付けて、親密な雰囲気を出して案内しています』
……は???
耳を疑ったが、どうやら聞き違いではなさそうだ。司会者も繰り返し、同内容の事をアナウンスしている。
キャバクラじゃないんだから!
僕はこんな話を聞くために、契約を逃すリスクもありながら店舗を無人にし、わざわざ電車を乗り継いで、遥々この研修会場までやってきたのか?ましてやこっちはそこそこのオジサンだ。そんな話を聞いてなんになる?いや、例え自分が若い女性スタッフだったとしても、真似しようとは思わないし、今この記事を読んでいる女性の販売員さんもこんな事はゼッッッッッッッッタイにやらなくていい。いや、やってはいけない。
というかよくもまあそんな発表をこの200人の前で堂々と出来たもんだ。聞いている側は唖然としているのか、まさか真剣に聞いているのか、静まり返っていた。
なんとも言えない無意味な脱力感を感じながら帰路についた事は言うまでもない。
まあ非常に極端な例を挙げましたが…。
結局、研修の良し悪しというのは、行ってみないとわからない。ただ、店舗だけでは得られないスキルや機会が、そこにある事は間違いない。改めて、研修への参加は、可能な限り、強くオススメします。